蛇口と水
幕末維新の話は色々と語り継がれています。
その中でも面白いお話を本で読んだので
ご紹介します。
〜「蛇口」の話〜
幕末に日本の武士の使節団が
ヨーロッパを旅しました。
滞在先のホテルで一行が目にしたのは、
蛇口でした。
ひねると綺麗な水が溢れるばかりに
出てくるのを目の当たりにして、
度肝を抜かれました。
故郷では、水を井戸で汲み上げていたので
やっぱり、ヨーロッパは違うと唸ったそうです。
そして、そのうちの一人が蛇口を山ほど
買い求めて帰国したそうです。
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あなたは、このお話を
読んで、身近なところで
どのようにあてはめて考えますか?
私は、次のように考えました。
様々な知識、特に対人支援や
心理学に傾倒がある方に見られるのですが、
コーチングやNLP,
カウンセリングのメソッドは
ややもすると、誰にも当てはまると
想定して蛇口を提供することになっていないでしょうか。
ミルトン・エリクソン博士が
大ベテランのセラピストに
「心理学の大家の理論を当てはめるのではなく、
目の前のクライエントを見ていますか?」と
質問したという話は有名です。
蛇口から出てくる水は、
その人から溢れ出る尊い清らかな
ものです。
蛇口を当てはめても水が
枯渇していると、あるいは
汚染された水であれば
意味がないのです。
支援側が何を見ているかで
結末は大きく変わります。
今まで「すごいな」と思った
諸先輩方の特徴は、
評価判断を一旦脇における、
コーチングそのものを行なっているのではなく、
(むしろ、あまり上手ではないかもしれません)
目の前の方を魂、命を含めて観察している
そのような印象を持っています。
その人から清らかな水が
溢れ出るように、共に井戸を掘るような
水脈を探求するように、
冒険心と好奇心でこれからも相手に関わっていきたいです。
今日もあなたが、あなたが関わる人たちが
健やかで元気に活躍なさる
一日でありますように。